
自分の歯でできるだけ長く
過ごせるように caries
患者さまご自身の歯をできるだけ長く使っていただけるように、治療時には「なるべく削らない」「なるべく抜かない(骨をきちんと守る)」に重点を置いています。むし歯の治療を行う際は必要に応じてルーペ(拡大鏡)を使用し、削る範囲を最小限に抑えるように努めています。また、以前に装着した被せ物の周りにできたむし歯も、ご来院時にしっかりチェックし、なるべく削らない処置で対応しています。
なるべく削らない

当院では初期のむし歯は治療せず、経過観察を行います。たとえば、噛み合わせ部分の歯の溝にわずかな黒ずみが見られるなど、むし歯のごく初期段階の患者さまには、機械で削る必要はなく、ご自身のブラッシングで解決できることを丁寧に説明いたします。
もちろん、患者さまから「見た目の黒ずみを治したい」などの強いご要望があれば処置しますが、基本的には削らないことをおすすめしております。また最近では、金属の詰め物、被せ物を使用するより、削る量が少なくてすむCR(コンポジットレジン)充填での治療も多く取り入れています。



なるべく抜かない・骨を残す治療

患者さまご自身の歯は可能な限り残すことをおすすめしていますが、揺れが激しい場合など、医師の判断では抜いたほうが良いケースも見受けられます。しかしそのような場合でも、患者さまが抜かないことを強く希望されているときは、無理に抜くことはいたしません。
状況によっては、歯を残すこと以上に、歯の土台である「骨」を守る治療にこだわることが大切な場合もあります。そのような場合も、患者さまのご意思は一番に尊重しますが、疾患部の現状や歯を残すことによる将来的なリスクなどはきちんと説明いたします。
進行度に応じた
むし歯の治療方法 flow
むし歯は、進行度に応じて、治療方法も変わってきます。発生して間もないむし歯である「CO(シーオー)」から、末期のむし歯である「C4」までの5段階で、症状も変化します。むし歯の発見が早いほど、失う歯質の量も減ることから、定期検診を受けて早期治療に努めましょう。
step CO(初期のむし歯)
発生して間もないむし歯です。歯に穴は開いていませんが、表面に白いシミのような白濁が認められます。専門的には「表層下脱灰(ひょうそうかだっかい)」と呼ばれる現象で、フッ素を作用させることで再石灰化を促せます。この段階であれば、歯を削らずに治すことが可能です。
step C1(エナメル質のむし歯)
むし歯菌への感染がエナメル質だけにとどまっている段階です。むし歯菌の酸によって生じた穴は、比較的浅く、小さいです。痛みを感じることはまずありません。むし歯菌に侵された歯質を削り、コンポジットレジンを充填することで治療は完了します。
step C2(象牙質のむし歯)
エナメル質の下の象牙質にまで感染が広がった状態です。象牙質には一部、神経が入り込んでいるので、冷たいものや甘いものがしみるようになります。病変が比較的狭ければ、切削した後にコンポジットレジンを充填します。病変が広ければ、インレーなどの詰め物を装着します。
step C3(神経まで侵されたむし歯)
歯の神経までむし歯菌に侵された段階です。強い痛みを伴うようになります。歯の神経を抜き、根管治療を行ってから、被せ物を装着します。根管治療には比較的長い期間を要する点に注意が必要です。
step C4(歯冠が崩壊したむし歯)
歯冠がボロボロになり、歯根だけになった状態です。専門的には「残根状態(ざんこんじょうたい)」といいます。歯の神経は死んでいるので、痛みなどの症状は消失します。けれども、病変がなくなったわけではなく、放置するとさらに重たい症状を引き起こします。
選択肢として根管治療が挙げられますが、重症例では抜歯をせざるを得えなくなります。かけがえのない天然歯を失うことになるため、C4に到達する前に治療を受けましょう。

根管治療とは
重度のむし歯が原因で神経が炎症を起こしている場合には、神経除去と根管内洗浄を行う必要があります。それが根管治療です。具体的には、むし歯を完全に除去し、さらに根管からだめになった神経を除去したあと、できてしまった空洞部分を丁寧に洗浄し、薬を詰めて被せ物を装着します。
むし歯がわずかでも残ると再発の可能性があるので、根管治療時は精度にこだわり全力を尽くします。治療は麻酔処置後に行いますので、痛みはほとんど感じません。また、入念な検査を行った上で、治療の方法と通院予定期間などを治療開始前に丁寧にご説明します。
根管治療の流れ flow
- 01
歯の表面のむし歯部分を取り除く
- 02
神経スペースに穴をあけ、根管の治療を行いやすくする
- 03
リーマーなどの専用器具で、歯の根の感染部分を取り除く。必要に応じて、神経を取る処理(抜髄:ばつずい)も行う
- 04
根管内全体に薬を詰め、菌が入らないように根管をとじる
- 05
根管治療後の歯は、症例により詰め物・被せ物を装着する
痛みに配慮した治療

歯科治療に対する恐怖心を和らげ、気軽にご来院いただけるよう、「なるべく痛くない治療」を心がけています。例えば、麻酔時には痛みや不快感が少ない電動注射器を使用します。さらに、表面麻酔や針のない麻酔(シリジェット)を患者様の状態に応じて使い分けることで、お子さまや痛みに敏感な方でも、安心して治療を受けていただけます。
特に「無痛治療を行うための麻酔注射が、痛くて怖い」と感じ、通院をためらい、病状が悪化するケースが多いのも事実です。そのため、私たちは麻酔処置時の痛み軽減に力を入れています。


当院の麻酔メニュー
表面麻酔
患部に塗るだけ、吹き付けるだけなど複数のタイプがあり、痛みを伴わずに歯ぐきの表面の感覚を鈍くします。当院では、この麻酔を先に使用することで、麻酔注射の痛みを緩和させたり、痛みに対する緊張をほぐしたりしています。
シリジェット
シリジェットは、圧力のみで、針を使わずに麻酔薬をスピーディーに歯肉に浸透させる麻酔機器。「歯ぐきにパシッと衝撃がきた」など感じ方には個人差がありますが、「針による恐怖心」を取り除くことに効果的です。
電動麻酔
麻酔処置時の痛みには「刺す痛み」のほかに「麻酔液が入るときの痛み」があります。電動麻酔の注射器を使用することにより、ゆっくり一定スピードで液を注入できるので、液が入る際の痛みを大幅に軽減できます。
その他、恐怖心をとるための工夫

治療を始めるにあたっては、開始前の雑談やお声がけなどのコミュニケーションで、患者さまにリラックスした状態で治療を受けていただけるよう心がけております。また、どんな治療が行われるかわからない…という恐怖を感じることがないよう、開始前の治療説明も欠かさず行っております。必要に応じて「説明用ソフト」を治療用チェアのモニターでご覧いただくなど、治療への疑問や不安の解消に努めています。


お子さまの麻酔について

お子さまの場合は、表面麻酔後、少し時間を置いて十分に表面麻酔を効かせます。その後、注射による本格的な麻酔を行います。そのため、麻酔注射を打つときにはほとんど感覚はありません。また、電動注射器を使わず、手動で手早く処置するなどの工夫も行っています。



笑顔の対応
私たちは、来院いただいたときの受付から、治療が終了してお帰りになるまで、患者さまが快適にお過ごしいただける時間を提供いたします。
ごく当たり前のことではありますが、すべての患者さまに少しでも気持ち良く過ごしていただきたいとの考えから、ご来院時やご退院時のあいさつ、ご説明する際の丁寧な対応、そして失礼のない言葉遣いに配慮し、医師をはじめスタッフ一同、笑顔での対応を心がけています。
コミュニケーションシートでの
患者さまの情報共有

患者さまが興味を持っていらっしゃることや、生活の中での出来事など、治療に直接関連しないお話しも、コミュニケーションシートを介してスタッフ間で情報共有しています。
当院では、患者さま一人ひとりとの円滑なコミュニケーションを目指しています。そのためには、患者さまの情報をスタッフ間で共有することが大切だと考えています。
より品質の高い応対を目指して
各スタッフは、歯科治療関連セミナーへの参加はもちろんのこと、トリートメントコーディネーターや各種ビジネス応対など、接遇面を改善する研修に積極的に参加しています。幅広いスキルアップのチャンスを積極的に持ち、患者さまが「より心地良く通える歯科医院づくり」を目指しています。